マンションと自然災害(豪雨災害編)

(2022年4月1日現在の各種法令等に基づいて解説しています)

都市部の排水能力を超えた豪雨

 近年、長時間にわたる局地的な集中豪雨により都市部では排水能力を超え下水道等から水が溢れる等の都市型災害も増えています。この都市型水害は短時間の集中豪雨でも起きる可能性があります。マンションでも地下施設・設備等への浸水被害報告が増えています。

マンションも対策が必要

 多くの人がマンション住まいであれば、豪雨被害を受ける可能性は少ないと安心していると思います。しかし、過去に経験したことのない雨が降り、浸水被害のリスクも高くなりました。

 マンションではどのような被害が予想されるのでしょうか?それに対して、マンションの管理組合はどのように対応し、対策を考えればいいのでしょうか?

 今回は、マンションの共有部分における「浸水リスクと対策」について解説します。管理組合として適切な対策を取ること。被害を最小限に抑える為にリスクを事前に知っておくことが重要です。

個人への被害が大きくなる地下駐車場

 マンション共用部の浸水被害で、個人への損害が大きく深刻になるのは地下駐車場やピット式駐車場の地下部分です。

 この部分に排水処理能力を超えた雨水が流れ込むと車に浸水や水没の被害がでます。被害を少なくする為には、日頃から排水ポンプの点検は重要です。作動確認を長期間していないと、いざという時にポンプが故障して動かないことも。管理会社による点検・整備が定期的にされているか確認してみましょう。また、豪雨が予想されるような場合は、地下の車が水没しないようにパレットごと地上まで上げられるように準備しておくことも必要です。また、場合によっては車を一時的に安全な場所に非難させる事も想定しておきましょう。

構造的なリスク箇所

前面道路よりエントランスが低くアプローチに勾配があったり、地下や半地下に入り口がある建物があります。多少の雨に対応できる排水溝が設置されていても、想定以上の豪雨により、雨水があふれ被害が出る可能性があります。管理組合が出来る対策として土嚢を用意することも必要ですが、状況によっては止水板や排水ポンプの設置を視野に入れた対策が必要です。また、浸水や水没の可能性があるエリアに重要な設備がある場合には移設も検討しましょう。

エレベーターの運転停止

 一階部分が浸水して、エレベーターシャフト(エレベーターの通り道)に雨水が流れ込むと自動的に運転が停止してしまいます。

 特にタワーマンションでは高層階の居住者は身動きが取れなくなってしまいます。更に、断水や停電などが起きた場合にはさらに深刻です。水や食料等の備蓄品を高層階まで運び上げることもできません。備蓄品や支援物資を、低層階・中層階・高層階と分けて備蓄場所を設けているケースもあります。 また、帰宅時に高層階にある自分の部屋まで戻れないというケースもあります。1階のエントランスや低層階の共用部に避難スペースを確保。一時的な待機や避難と最低限の防災用品を備えておく事も必要かもしれません。

マンションの豪雨災害対策

 管理組合として、ハザードマップにより危険リスクを確認するすること。建物の構造に即した豪雨災害対策を検討することが必要です。管理会社に任せっきりではなく、自分達の大切な生命・財産は自分達で守っていくという意識を強く持ちましょう!

 

 

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